ブタイ (2005.9.1)

ブタイ

今はもう 痛いほどはっきりわかるけど
わたしは たまたま選ばれてしまっただけだった
そこは とても居心地がよい舞台で
役を演じてさえいれば よかったんだから
楽に決まってるよね
続けるのは大変だったけれど
台詞もアクションも決まってた
何にも 考えなくてすんでいたよ

もうちょっとで
何も考えられない女優になれたかもしれないけど
わたしの中のなにかが それを拒否していたんだから
仕方ないね

今はもう 責めても責めきれないけど
わたしは すすんで 舞台から降りなかったんだ
だから  ナイフを握るのは
誰でもないわたしになってからにしておくよ 
そして 誰よりも 厳しい脚本家の前で
堂々と 抹殺してあげる
みんなの本音まで知ってるのは たった一人だけだから
それまでは いくらでも
憎めばいいわ 自分を守る為に

自らの手で思い出を汚す その空しい視線は常に
何かを誰かを見てなくちゃならない
なんて はまり役でしょう

わたしが演じなくても 舞台は続いてるから
カーテンコールはいらない
願いたくなんてない けれど 願う
いつか 舞台を降りて 歩きはじめること
台詞の中にまぎれた本音




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